研究計画書のよろしくない例

例1

一見すると、条件を満たしているように見える。しかしながら、

  • 参考文献リストは提示されているが、本文中に引用の印がない。これでは、この文章が著者オリジナルなのか、文献から引用されたものか、区別がつかない。「切り貼りした」と判断されてしまう。
  • 参考文献は、すべて中国の研究者の著書である。これでは、中国で研究を進めても問題ないように読まれてしまう。日本に留学する意味がないと判断される。
  • テーマに書かれている「学校教材」の意味がわからない。
  • テーマに書かれている「開発設計」は、具体的に何をするのかわからない。

研究テーマ
高等専門学校における産学連携の学校教材の開発設計に関する研究

研究目的
経済の発展に従い、企業と社会は専門学校の人材育成に対して更に高い要求を提出している。伝統的な学科課程と技能育成課程だけでは、限度があると思われている。産学連携の人材育成モードこそ、高等専門教育が経済社会の発展に応じて、引き続き教育品質を高める重要な手段である。よって、産学連携の学校教材の開発設計は、産学連携の人材育成モードにとって必然的要求である。本文は、高等専門教育の特殊属性から、高等専門学校における産学連携の学校教材の設計理念を論じて、そして実践の方面から教材の構造、内容、形式、練習などの設計を探究とした。

研究内容
一、高等専門学校において伝統的教材と産学連携の教材
現在の大分の高等専門学校の教材は、伝統的な学科を中心課程として、なるべく学生が当学科の全知識を把握できるように、教材の内容を編集して、学科知識の全面化と体系化を重視していた。このような編集方式に従えば、学生が学ぶ知識と従事する職業との関連性を把握しきれず、学科知識を直接にに専門能力に転ずることが難しくて、高等専門教育の人材育成目標を達成することが更に不可能である。「産学連携」モードとは、学校と企業の異なる教育資源と教育環境を利用して、人材育成に関する学校と企業が持つそれぞれの優位性を活かして、授業を通じて知識を伝授する学校教育と直接に実際経験能力を得る生産現場教育を有機的に結合して、企業の需要を満足する上に、学生の専門能力と企業職位の要求の「継ぎ目のない」連携を実現する応用型人材育成モードである。

二、高等専門産学連携の学校教材の設計理念
1.学生の専門能力の育成を目標に
産学連携モードの最大な特徴とは、学生の学習の開放性、実践性、専門性、また学生の専門能力の育成を重視することである。同時に、これも専門教育の本質に要求されたものである。教材は課程の重要な一部として、課程の目標を離れたり、課程改革の方向を無視したりしてはならない。また、専門能力の理解に関して、基本的な専門技能を除いて、現代社会による専門能力に対する要求において、従業者の感情、チームワーク意識、コミュニケーション能力、イノベーション能力などが更に重視されて、また、教材で適当な形で再現されている。

2.教材機能に対する位置付けの更新
高等専門産学連携の教学において、教材の機能は伝統的知識から学生の学習課程を導くリーダーに変化すべく。教材は、学生の学習を指導する存在、学生の能力を発展させる工具、学生の視野を拡大するきっかけ、生活と社会、理論と実践、学校の学習と専門仕事を繋ぐ橋となるべく。教材とは、教師の教学と学生の学習にとって重要な資源であるが、唯一な資源ではない。教材は、教師を縛る鎖ではない。学生に自由的に発展できる空間を確保するほかに、教師にも一定的な空間を確保し、教材を教師で作られたプラットフォームになるべく。

三、高等専門学校の産学連携の学校教材の要素設計
高等専門学校の産学連携の学校教材の要素設計に関して、本文は教材の構造、内容などの方面から詳しく説明をし、また対外ビジネス専門に応じて開発した産学連携の学校教材『ビジネス情報処理』を実例として分析する。

1.構造の設計
高等専門学校の産学連携の学校教材にとって、課程項目は仕事課程のロジックによって知識内容をまとめるものである。よって、知識システムが仕事過程知識のシステムである。即ち、仕事課程を手がかりとして項目に含まれる技術理論の知識と技術実践の知識のロジック構造を分ける。これこそ、教材構造における産学連携の教材と普通の学科のロジック教材の最大な相違である。項目の組織編集に関して、主に三つに排序方式がある。
(1)漸進式。即ち、これらの項目は難易度によって低い順番から高い順番へ排列される。
(2)並列式。即ち、これらの項目の間に、複雑な異なりがなくて、明確の相互関係もない。
(3)流線式。即ち、これらの項目は前後のロジック関係にしたがって行われる。
どんな専門の学校教材でも、具体的に編集をする時に、まず高級専門学校の学生の智能発展を前提に、なるべく学生が受け入れやすい表現方式を選ぶべく。同時に、道徳、感情、態度、価値観などの要素を教材に注ぎ込むはず。高等専門学校における産学連携の学校教材は特に知識の表現を否定はしない。完成すべく仕事の任務に対して、依然として関連する技術実践の知識と技術理論の知識を支えとして扱うべくと考える。

2.内容の選択
高等専門産学連携の学校教材の内容は、常に職位の仕事の任務を中心として選択をし、この領域の専門的特徴を突出すべくと考える。例えば、「ビジネス情報処理」の産学連携の学校教材の開発において、手始めに本区域にある外資系企業で就職している通関係、審査係などの職位(群)の任務から分析を行うべき、これらの職位(群)の仕事に必要な総合的能力と関連する専門的能力を確定したあと、「ビジネス情報処理」の課程で育成する総合的能力と関連する専門的能力を確定とする。最後に、育成する総合的能力と関連する専門的能力の基準に参照して、教材の内容を決める。よって、我々は「ビジネス情報処理」の産学連携の学校教材の内容はビジネス情報採集、製品画像処理、ビジネス情報発布、デジタル書類処理などの項目に分けられるべくと考える。

研究見込み
産学連携の学校教材の開発と使用は、専門教育改革を更に深化させて、高等専門教学に根本的な変化をもたらすと思う。高等専門教育の真義に符合し、本地域における業界の経済発展の需求を満足するため、きっと学生の専門能力の育成とこれからの就職活動に役に立てると信じる。

参考文献
[1]範印哲、教材設計序論[M]、北京:高等教育出版社、2003
[2]徐国慶、高等専門授業の理論基礎と設計[J]、江蘇高等教育、2006


例2