こんな院生(学生)がほしいなぁ…

久米 弘の願望を具現化した非公式ページ


ひとりごと…

当たり前のことだけど、大学院なんだからさ、カルチャーセンターとは違って、研究をするところなのね。
だから、「自宅から通えるので」とか、「自分の勉強のために」なんて言っちゃあよろしくないのだよ。
それに、学府(研究科)・研究院にはどんなスタッフがいるのか、どんな科目が開講されているのか、パンフレットやホームページで調べといてね。
また、自分のやりたいことがそもそも研究になるのかどうか、自分のやりたい研究ができるのかどうか、吟味しといたほうがいいんだなぁ。だから、できれば、受験前に学府(研究科)・研究院のスタッフに相談したほうがいいと思うよ。
それから、研究経過報告書は、エッセイや自分史とは違うよ。
そして、研究計画書には、仮題でもいいからテーマを書いてね。
(詳しくは、妹尾堅一郎さんの文献を読んでみてね)

最後に、一つでも多くの「いい論文」を読んでおいてね。例えば…

  • 日本教育工学会論文誌(日本教育工学雑誌)
    1. 永野和男,久米弘,伊藤剛和(1992) 教師用と児童・生徒用のインターフェイスを持たせた教育用情報交換システムの構成.日本教育工学雑誌,16(1):13-22.
    2. 永野和男,奥村英樹(1992) 自作教材開発支援のための環境とシステム構成.日本教育工学雑誌,16(3):143-157.
    3. 永野和男(1993) 汎用の関係データベースシステムを授業設計や評価に活用するために追加すべきインターフェイスと機能.日本教育工学雑誌,17(1):1-13.
    4. 永野和男,飯田史男,奥村英樹(1993) 精神遅滞児を対象としたコンピュータゲーム的環境による学習の試み.日本教育工学雑誌,17(2):69-84.
  • 東北教育心理学研究
    1. 伏見陽児,麻柄啓一(1986) 図形概念の学習に及ぼす発問系列の違いの効果.東北教育心理学研究,1:1-9.
    2. 進藤聡彦,吉田明子(1987) 文章理解における工作的教示の効果.東北教育心理学研究,2:11-19.
    3. 知久馬義朗,小野寺淑行,岩崎哲郎(1989) 科学的思考をうながす歴史教材の開発−教材「土器を作った人々」の構成と実践−.東北教育心理学研究,3:1-14.
    4. 工藤与志文(1989) ルール学習におけるストラテジーと情報処理型の交互作用について.東北教育心理学研究,3:15-27.
    5. 知久馬義朗(1991) 質量保存に関する子供の誤ルールとその組み換え.東北教育心理学研究,4:1-14.
    6. 佐藤康司(1991) 教授ストラテジーの構成と改善に関する研究−「液体の密度」の学習について−.東北教育心理学研究,4:15-25.
  • 教育心理学研究
    1. 麻柄啓一,伏見陽児(1980) 幼児の法則学習における「劇化」教材の効果.教育心理学研究,28(3):212-218.
    2. 麻柄啓一(1989) 問題解決における典型性効果.教育心理学研究,37(4):312-319.
    3. 佐藤康司,斉藤裕(1990) 幼児の「動物概念」形成に関する構成法的研究.教育心理学研究,38(3):287-296.
    4. 麻柄啓一(1991) 日常生活場面の事例がルールの学習に及ぼす効果.教育心理学研究,39(3):261-269.
    5. 工藤与志文,白井秀明(1991) 小学生の面積学習に及ぼす誤ルールの影響.教育心理学研究,39(1):21-30.
    6. 麻柄啓一(1992) 内包量概念に関する児童の本質的なつまずきとその修正.教育心理学研究,40(1):20-28.
    7. 進藤聡彦(1993) 適用範囲の縮小過剰型のru-barの修正方略.教育心理学研究,41(2):135-142.
    8. 麻柄啓一(1994) 法則学習における「験証」法の効果−帰納・演繹法批判−.教育心理学研究,42(3):244-252.
    9. 麻柄啓一(1996) 学習者の誤った知識はなぜ修正されにくいのか.教育心理学研究,44(4):379-388.
    10. 工藤与志文(1997) 文章読解における「信念依存型誤読」の生起に及ぼすルール教示の効果−科学領域に関する説明文を用いて−.教育心理学研究,45(1):41-50.
    11. 舛田弘子,工藤与志文(1996) 初学者に対する「文脈効果」を応用した読解指導の有効性について−古典教材を用いて−.教育心理学研究,44(4):445-453.
    12. 荒井龍哉,宇野忍,工藤与志文,白井秀明(2001) 小学生の動物概念学習における縮小過剰型誤概念の修正に及ぼす境界的事例群の効果.教育心理学研究,49(2):230-239.
  • 読書科学
    1. 舛田弘子,工藤与志文(1994) 翻案教材を用いた古文の読解指導の試み.読書科学,38(4):128-140.
    2. 舛田弘子(1997) 社会的事象を扱った文章の理解に及ぼす学習者の知識・意見の影響.読書科学,41(3):81-90.

一応、参考文献リスト…

  • 妹尾堅一郎『研究計画書の考え方−大学院を目指す人のために−』ダイヤモンド社→必読!
  • 永野和男編『これからの情報教育』高陵社
  • 田中博之・木原俊行・山内祐平『新しい情報教育を創造する』ミネルヴァ書房
  • 中川一史『マックが小学校にやってきて、子どもたちはどうなったのか?』アスキー出版局
  • 中川一史『教室と子どもたちとインターネット−メディアキッズのどたばたレポート−』あゆみ出版
  • 村井純『インターネット』岩波書店
  • 村井純『インターネットII』岩波書店
  • 西垣通『マルチメディア』岩波新書
  • アラン・クーパー(山形浩生訳)『コンピュータはむずかしすぎて使えない!』翔泳社
  • マーク・ミナン(植木不等式監訳)『いつまでバグを買わされるのか』ダイヤモンド社
  • 細谷純『教科学習の心理学』東北大学出版会
  • 永野重史『子ども学力とは何か』岩波書店
  • 永野重史『教育の中の言葉』日本放送出版協会
  • 永野重史『発達と学習』日本放送出版協会
  • 永野重史『発達とはなにか(シリーズ人間発達8)』東京大学出版会
  • 宇野忍編『授業に学び授業を創る教育心理学』中央法規
  • 伏見陽児・麻柄啓一『授業づくりの心理学』国土社
  • 高橋金三郎・細谷純編著『極地方式入門』国土社
  • 高橋金三郎編『科学の方法』新生出版
  • 橋本治『「わからない」という方法』集英社新書
  • 山鳥重『「わかる」とはどういうことか』ちくま新書
  • J.M.G.イタール『アヴェロンの野生児』福村出版
  • ヘレン・ケラー『わたしの生涯』角川書店
  • アン・サリバン『ヘレン・ケラーはどう教育されたか』明治図書
  • ヴェルナー・フロイント『オオカミと生きる』白水社
  • コンラート・ローレンツ『ソロモンの指輪』早川書房
  • スー・サベージ・ランボー『カンジ』NHK出版
  • スティーヴン・J・グールド『個体発生と系統発生』工作舎
  • スティーヴン・J・グールド『人間の測りまちがい』河出書房新社

直接関係ないけど…あるか…

  • 書籍
    • 新谷恭明『学校軍隊に似ている』海鳥社
    • 戸部ほか『失敗の本質』中公文庫
    • 山本七平『私の中の日本軍 上・下』文春文庫
    • 山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』文春文庫
  • 映画
    • 『ロレンツォのオイル』(Lorenzo’s Oil
    • 『レナードの朝』(Awakenings
    • 『17歳のカルテ』(Girl, Interrupted
    • 『ビューティフル・マインド』(A Beautiful Mind
    • 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
    • 『マトリックス』(The Matrix
    • 『エイリアン2』(Aliens
    • 『奇跡の人 1962』(The Miracle Worker
    • 『野性の少年』(L’Enfant sauvage
  • プロジェクトX〜挑戦者たち〜
    • 第049回 「耳を澄ませ 赤ちゃんの声〜伝説のパルモア病院誕生〜」
    • 第093回 「救命救急 ER誕生」
    • 第073回 「8ミリの悪魔 VS 特命班」
    • 第070回 「魔法のラーメン 82億食の奇跡」
    • 第051回 「日本初のマイカー てんとう虫 町を行く〜家族たちの自動車革命〜」
    • 第039回 「不屈のドラマ 瀬戸大橋」
    • 第122回 「復活の日 ロボット犬にかける」

趣味の一つは作問なのね

九州大学大学院人間環境学府の入学試験問題は、閲覧可能です。
このページは、あくまでも「久米だったらこんな問題をスラスラ解けるような学生がほしいなぁ」という願望を具現化した非公式ページです。
だ・か・ら。
実際の入試問題とは違うからね。
「このページの情報に基づいて勉強したけど、入学できなかった」
「問題の形式が違っていた」
なぁ〜んて言っても、わしゃあ、知らんぞ。

ちなみに、「批判」と「非難」をおお勘違いしている受験生がほとんどなので、気をつけてくださいな。


研究計画書が大事っ

電子メールで「Webサイトを見て」、「研究生になりたいと思います」と連絡してくるのは良いのだが、肝心のページを読んでいないことはすぐにわかってしまうのです。まず、必要書類が添付されていない。添付されていても履歴書のみ、とか。
研究生になりたい動機も、「日本が好きだから」とか「福岡が好きだから」とか「九州大学は有名だから」とか。研究に関係ない動機は必要ないです。
研究計画書をしっかりと作成すること、これが最も大切なのです。